
「シアトル/ロンドン/バンクーバーに住んでいます。太陽光発電は使えますか?」
答えははいです。ただし、適切な機器選びが重要です。太陽光パネルは直射日光がなくても発電します。日射量(光の強さ)があればよく、曇りの日でも存在します。
ただし、出力は大きく低下します。厚い雲の下では定格の10〜25%程度になることもあります。
その10〜25%を最大限に活かす方法をご紹介します。
1. 技術による違い
単結晶(優位)
現代の単結晶PERCやTOPConパネルは低照度で優れています。
- 理由: 効率が高いため、光が少なくても多くの光子を捉えられます。
- 性能: 厚い曇りでも約15〜20%の出力が期待できます。
薄膜(特化型)
**薄膜(CIGS/CdTe)**パネルは「分光感度」に優れています。可視光より雲を透過しやすい紫外線や赤外線を含む、より広い波長域を吸収します。
- 理由: 直射角への依存が小さい。
- 性能: 拡散光のみの条件下では、結晶系より5〜10%上回ることがあります。
- 弱点: 全体効率が低いため、晴れの日の単結晶のピーク出力に合わせるには大規模なアレイが必要です。
多結晶(不利)
シリコンの純度が低いため、低照度では一般的に最も性能が落ちます。曇りが多い地域では避けた方がよいです。
2. バイパスダイオード
雲による影は「ソフトシェード」、枝による影は「ハードシェード」です。
- 標準パネル: バイパスダイオードが3本。葉が1セルを覆うと、そのセクション全体(通常パネルの1/3)をバイパスします。
- ハーフカットセル: 現代のパネルは半分に分割されています。下半分が影になっても上半分は100%稼働。曇り・日陰の多い地域では特におすすめです。
3. MPPTは必須
低照度ではパネル電圧が下がります。
- PWMコントローラー: パネル電圧が充電電圧(例:13V未満)を下回ると、充電を止めてしまうことがあります。
- MPPTコントローラー: より低い電圧(バック/ブースト)も利用でき、わずかな電流を効率的に取り込めます。曇り時にはMPPTで20〜30%程度の発電量増加が期待できます。
4. システム設計のポイント
- 過剰設置: パネルは安価です。冬に500W必要なら1000Wを設置。余裕で雲による約50%のロスを補えます。
- 直列配線: 直列にすると電圧が上がります。低照度では電圧が下がるため、直列で電圧を高く保つと、MPPTコントローラーが朝早くから夕方遅くまで稼働しやすくなります。
- 傾斜角: 冬(曇りが多い季節)は、傾斜を強く(緯度+15度)すると、低い太陽光を捉えやすく、光を遮る雪や雨も落ちやすくなります。
結論
2026年、曇りが多い地域では:
- パネル: 単結晶ハーフカット(PERCまたはTOPCon)
- コントローラー: MPPT
- 戦略: アレイを20〜50%過剰に設計
曇りを理由に諦めないでください。ドイツは太陽光発電の世界トップであり、熱帯の日照に恵まれているわけではありません。
パネル効率の詳細は2026年太陽光パネル効率:単結晶 vs 多結晶 vs 薄膜をご覧ください。


