
クイックアンサー
バッテリー稼働時間を計算するには、バッテリーの総ワット時(Wh)に安全な放電深度(DoD)とインバーター効率を掛け、家電の稼働ワット数で割ります。公式は次のとおりです:稼働時間(時間)=(公称バッテリーWh × DoD × インバーター効率)÷ 家電ワット数。例えば、1,000 Whのリチウムバッテリー(100% DoD)を85%効率のインバーター経由で使うと、100WのノートPCを約8.5時間動かせます。
変数の定義
計算の前に、バッテリーが実際にどれだけ持つかを左右する4つの数値を理解する必要があります。
- 公称バッテリー容量(Wh): バッテリーが保持する総エネルギーです。アンペア時(Ah)表記の場合は、Ah × 電圧(V)でWhを求めます(例:12V × 100Ah = 1,200 Wh)。
- 放電深度(DoD): ほとんどのバッテリーはゼロまで放電すると損傷します。鉛蓄電池は通常50%の使用可能DoD、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)は安全に80〜100%のDoDが可能です。
- インバーター効率: バッテリーはDCを蓄えますが、多くの家電はACが必要です。DCをACに変換するインバーターはエネルギーを消費し、通常10〜15%を失います(効率85〜90%)。
- 家電の稼働ワット数: 機器が連続して消費する電力です。稼働時間計算には「起動ワット」(サージ)を使わないでください。サージは数秒しか続きません。
多くの稼働時間推定が見落とす点
基本的な計算機は単に総容量を家電ワット数で割るだけです。この方法では、現実の物理を無視するため、予想より早く電池が切れます。
- インバーターの待機消費: 家電がオフでも、インバーターを入れたままにすると、起動状態を維持するために小さな電力(多くは10〜50W)を消費します。24時間で、この「ファントム消費」が小さなバッテリーを完全に枯渇させることがあります。
- ピューカートの法則(鉛蓄電池): 鉛蓄電池から非常に速く電力を取り出すと、実効容量が縮みます。100Ahの鉛蓄電池を20時間かけて放電すると、2時間で放電するよりはるかに多くの総エネルギーを供給できます。
- 温度による劣化: 氷点下(0°C未満)で保管されたバッテリーは、一時的に使用可能容量の20〜50%を失うことがあります。
- サイクリング vs 連続負荷: 1,000Wの冷蔵庫は連続稼働しません。オン・オフを繰り返すため、平均時間あたりの消費は150〜200W程度かもしれません。
バッテリー稼働時間の参照表
以下は標準的な12V 200Ah LiFePO4バッテリー(公称2,400 Wh)に基づく、一般的な家電の推定稼働時間です。
前提:90%使用可能DoD(2,160 Wh)、85%インバーター効率。使用可能総エネルギー = 1,836 Wh。
| 家電負荷 | 稼働ワット数 | 推定稼働時間 |
|---|---|---|
| Wi-Fiルーター + LEDランプ | 30 W | 61.2時間 |
| CPAP(ヒーターオフ) | 40 W | 45.9時間 |
| ノートPC充電 | 65 W | 28.2時間 |
| LCDテレビ(55インチ) | 120 W | 15.3時間 |
| 大型冷蔵庫(平均) | 150 W | 12.2時間 |
| ポータブルヒーター(弱) | 750 W | 2.4時間 |
| 電子レンジ | 1,200 W | 1.5時間 |
具体例
現実的なステップバイステップの計算を見てみましょう。
シナリオ: 24V 100Ah AGM鉛蓄電池があり、停電時に200WのデスクトップPC環境を動かしたい。インバーター効率は88%。
ステップ1:公称ワット時を計算
24ボルト × 100アンペア時 = 2,400 Wh
ステップ2:安全な放電深度(DoD)を適用
AGM鉛蓄電池なので、50%以下に定期的に放電すると寿命が著しく短くなります。
2,400 Wh × 0.50(DoD)= 1,200 使用可能Wh
ステップ3:インバーター効率を適用
インバーターはDC→AC変換で12%の電力を失います。
1,200 使用可能Wh × 0.88(効率)= 1,056 実効Wh
ステップ4:最終稼働時間を計算
実効ワット時を家電の稼働ワット数で割ります。
1,056 実効Wh ÷ 200ワット = 5.28時間
結果:バッテリーが安全な50%放電限界に達するまで、PCはおよそ5時間15分動作します。
バッテリー選定の実践チェックリスト
バッテリーを購入する前、または緊急時に頼る前に、次の手順に従ってください。
- 銘板を読む: 家電背面の正確なワット数を確認します。アンペアとボルトのみの場合は掛け算します(アンペア × ボルト = ワット)。
- バッテリー化学を確認: 鉛蓄電池(50% DoD)かリチウム(80〜100% DoD)かを確認します。
- サージを考慮: インバーターのピーク定格が、冷蔵庫やポンプなどモーター付き機器の起動サージに対応できることを確認します(稼働ワットが低くても)。
- 計算機を使用: 複数家電のシナリオでは、WattSizing計算機で日次負荷プロファイルをモデル化します。
よくある質問
なぜ計算より早くバッテリーが切れるのですか?
最も一般的な原因は、インバーターの待機消費(入れたままだと24時間消費)、低温による容量低下、または経年で銘板より多く消費する家電です。
1,000Whバッテリーで1,500Wヒーターは動かせますか?
技術的には可能ですが、約30〜40分しか持ちません。ヒーターのような高消費機器は小さなバッテリーを非常に速く枯渇させ、放電率が高すぎると内部安全遮断が作動することがあります。
この計算には起動ワットと稼働ワットのどちらを使いますか?
稼働時間計算には常に稼働ワットを使います。起動ワット(サージ)はモーター起動時の1〜3秒だけです。ただし、インバーターはその短いサージに対応できるサイズである必要があります。
12V DC家電の稼働時間はどう計算しますか?
12V機器を12Vバッテリーに直接接続する場合(12V車載冷蔵庫など)、インバーター効率のステップは省略できます。公式は単に:(公称Wh × DoD)÷ 家電ワット数です。
出典
- U.S. Department of Energy - Battery Storage for Homes
- National Renewable Energy Laboratory (NREL) - Battery Lifespan and Degradation
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